曲がってゆく者

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今日、一試合勝てば県の総体行き決定だ。 「要。今日は連続三回スリー決めろよ。お前はそれだけが取り柄だからなぁ。」 「うるさぁい。そういうお前は昨日、全員抜きだとか言ってたくせにドリブルすらしてねぇじゃん。」奈良塚 健は小学校からの長い付き合いだ。 「ハハッ、じゃぁどっちが先に達成するか賭けるか?」 「うぅん……やめとく。集中しようぜ。そろそろ。」 「了解。」 試合開始。 俺たちがかなりおしてるように見えた。 けど、一点も入らない。相手の守備が完璧なんだ。 ラスト五分、スコアは6対2負けている。 「おいっ!フリーだ!」 秋坂は俺がフリーにも関わらず、ひとりで突っ込んで行く。 くそっ。とられた。 でも、さすが俺。フォローについてたおかげで取り返した。 射程圏内だっ。シュートッ。 は、入った。あと二点だ。 くそっ、マークが厳しくなってきたっ。 !!!コイツら、今わざと殴ったな! 徹底的に潰そうってか。上等だ。 おかげで俺は鼻を折り、試合には勝ったものの、相手チーム数名と俺は出場停止になった。 「なんであんなことしたの!カッコ悪い。最低。あんなのものともしないようなすごいドリブルとかでかわしたらいいのに。」「あいつらが先に殴ってきたのに。俺のせいかよ。」 「…………あのさ、要。……。」 「何?」かなに要と呼ばれたのは久しぶりだった。 「私たちもぅ無理だよ。別れよう?」 「えっ、なんで!」 「最近、要はバスケばっかりで二人で遊びに行ってないじゃん。それに……。」 「それに?」 「……最近、要が要じゃないみたい。」 「???」 「じゃぁね。」 「……。」
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