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あれ?去年卒業した先輩じゃないか?学校は?
「えぇと……こんにちは。田代先輩?」
「おぉ、滝宮じゃないか。お前学校は?」
「あ、いや、今自宅謹慎中なんです。」
「はははっ、やるじゃん。何したんだよ。」
「まぁ、いろいろありまして。先輩こそ学校は……?」
「辞めたよ。あんなところ!それよりお前タバコ持ってないか?」
「えっ、いや、俺はスポーツマンだから……。」
「スポーツマンが、自宅謹慎中になんで外をほっつき歩いてんだ?吸ってみろよ。オレの誘いはゴメンってか!」
「いやっ、そういうわけじゃなくて……。」
「おっ、田代、待たせたな。?誰だ?コイツ?知り合いか?田代。」
「あぁ、オレの後輩だよ。コイツ、オレがせっかくタバコあげるって言ってんのに、嫌だって言うんだぜ。」
「生意気な後輩だな。ボコるか?」
「いいねぇ、むしゃくしゃしてたんだ。」
普通に聞こえる声で二人が話をしている。わざとだ。
「わっ、分かりましたっ。喜んで吸わさせていただきます。」
「分かりゃいいんだ。ほらよ。」
しかたない一本だけだ。
それ以後、俺はタバコがやめられなくなった。
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