【死神の釜】

7/12
前へ
/12ページ
次へ
  釜の下に隠れるように、赤く光るモノが置いてあった。   覆いかぶさった布からはみ出ているソレを見て、宝石かと喜び勇んで布を外してみると…               それは鎌の刃だった。   なんのシャレだ、この釜と鎌。 今どきオヤジでも寒くて言わないだろ、こんなダジャレ。   呆れつつ鎌を手に取り眺めてみる。   …ジャラリ…   持ち上げると鎖の音が地下に響いた。 気にせず指を滑らせ触ってみると柄の部分に奇妙な穴があった。   ひとつ… ふたつ… みっつ…     穴の数を数えてなんとなくアレに似ているなと思った。               そうアレ……横笛。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加