【死神の釜】

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  ぼふんッ!              釜から黒い煙が立ち昇る。          『くわ~……ふにゃん。』   ……なんか出た。     『ヌシか、ワシを呼び起こしたのは』   『イエ。別に呼んでません』   いきなり出てきた不審な黒い物体(?)に、すっぱりきっぱり丁重に言い切る。   『……いやいや、呼んだだろ、その笛で』   『聞き間違いでは?』           ……………沈黙。           『…その笛でワシを呼ぶと、一人だけ殺したい人間を殺せる契約が成立する』   うわ。このヒト(?)勝手に話進め始めたよ。   『ヌシにもおるだろ?  一人や二人くらい殺したい奴』   『イエ。別に居ません』   『ウソをつくなああああああ!!!』   『じゃ、アナタ』   ピシッとモヤのような黒い影を指差す。           『…………ちょ、     …それはナシな方向で』   『んもう。ワガママね~!!』   『……スミマセン』   黒い影が申し訳なさそうにペコリと謝った。
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