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『マモルさん、あなたが例え結婚していても、私はあなたを愛しています』
駅前のファッションビル。私は学校の帰りなんかに、よく立ち寄る場所。
駅よりも掃除が行き届いていて、私はここの常連だ。
その綺麗なトイレの個室の壁に、不倫宣言の落書きとは。
マモルさんって、うちの学校の数学の矢田が『守』って名前だったような……。
キモッ!
こいつうちの高校の生徒? 矢田とかマジ有り得ないから。
アイツ四十越えてたような……いつも同じスーツ着てて何だか臭いし(加齢臭?)、靴下は全部履かないで、踵を出して履いてるんだぜ? ついでに変な天然パーマで、噂じゃあ床屋が嫌いで奥さんが髪の毛切ってるとか……。
さぶっ! ありえねー!
いけない事とは知りつつ、私はその愛の告白の落書きに、ボールペンで矢印をつけて、『マモルさんは私の彼です。変なこと書かないで』と書いてしまった。
その時は深く考えず、軽い気持ちだったんだよね――。
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