大根の山

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 始まりは僕が、懸賞生活記という雑誌を手に取った事からだった。  雑誌には大きな字で、とにかくなんでもいいから書いて送ること!と書かれている。  パラパラと読みながら、もしかすると僕にも懸賞を当てることが出来るかもしれない。そう思った。  ハガキを五十枚買って家に帰り、ペンを持って何枚か書いてみる。なんだか当たる気がしない。  そこで雑誌の袋とじに書かれている裏技を見た。  そこには子供を利用するべし、と書かれている。なんて事が書かれているんだ!始めはそう思った、しかしそうは言っても裏技、やるしかない。  ……が、僕には子供なんていない、さてどうしようか……僕はペンを持ってある雑誌の懸賞のページを開いた、大根が当たるらしい、適当な絵を描いて汚い字で大根が欲しいっと書いてみた。   まぁ悪くはない、誰が見たって子供の絵だろう、字だってこのガタガタ間がいいじゃないか。僕はニヤリと笑う。  何日かその裏技を使いハガキを書いていると、ある日チャイムが鳴った。
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