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僕は血が上りっ放しで頭に火が付くんじゃないかと思った程だ、とにかく出て行ってくれ!そう言って追い出してやった。……最後、彼はドアの隙間から一言。
「君には運だってないじゃないか!」
僕は無視してドアをしめた。
それからというもの、僕は何枚も何枚もハイスピードでハガキを書いていった。しかし懸賞は当たらない、いやもしかしたら当たっているかもしれないな、ただ遅れているだけなんだ。そう思いながらも不安を抱いていた。
そんな毎日を繰り返して、僕は段々と嫌気がさしてきた、佐竹の最後の言葉…僕に運がないといのはほんとの事のようだ。
僕は日に日にハガキに字を書くスペースが落ちていく。
ペンを置いてマンガを読んでいる時間が多いな、と思った頃にはいつの間にかペンも持たず、ゴロゴロとしていることが多くなっていた。あの雑誌はどこへやら……。
結局佐竹の言う通り、僕には向いてはいなかったのだ。すまない佐竹、君が正しかった。僕は心の中でそう呟く。
ある日懸賞生活をやめてどのくらい経っただろうか、大きな段ボールが届いた。
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