大根の山

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 開けるとそれは段ボールいっぱいの大根の山。  まさかよりによって大根の山が当るとは、僕は頭を抱えた。  そんな時にチャイムが鳴る、僕がドアを開けるとそこには佐竹がいた。 「久しぶりだな」  僕は無意識に目を反らす。 「……懸賞生活はやめたってわけか」  佐竹はそういうと、テーブルの上に置いてある段ボールを見た。 「なんだ、なにか当ったのか?」 「大根だよ、大量の」  僕は溜め息をついた。佐竹は笑う。 「結局当ったのは大根の山だけ、おでん屋でも始めるか?」  僕はピンと来て、拳を高く上げた。 「それだ!二人でおでん屋をやろう!」  佐竹は呆れた顔で僕を見て言う。 「冗談だろ?」       終
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