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「なぁ!!こっちヤバいって!!」
フリーウェイを走った先でアーロンに息を切らしながら伝える
ティーダが膝に手をやり前かがみの状態で、はぁはぁと懸命に新鮮な酸素を取り込んでいると
「見ろ」
アーロンが遠くを見遣りながら言った
アーロンの望む方向をティーダも追う様にみる。
「―――っあぁ……ああぁ!」
その三の瞳の視線の先にあったのは、空に浮かぶ巨大な水の球体。謎の物体にティーダは思わず後ずさりをした。
「俺たちは『シン』と呼んでいた」
「『シン』……?」
どん、と言う鈍い音が聞こえた。音のした方をみると、高層の建物に謎の物体が突き刺さっている。
わしゃわしゃと怪しげな動きをしたかと思うと、ヒレのような部分からびゅんびゅんとコケラのようなものが剥がれ、意思があるかのようにあちこちへ突き刺さった。
突き刺さったコケラはむくむくと変形し、羽と足をもつ昆虫のような魔物へと変貌した。
「うわぁッ」
三体のコケラに囲まれ、必死で手で防御するティーダ。しかし思わず尻餅をつかされてしまった。
「使え」
と上から降るアーロンの声。目の前に鈍く赤色を放つ大振りの刃が差し出された。
ティーダはそれを受け取り、立ち上がる。
「おっ……わあっ!」
あまりの重さに思わず声を上げ、前かがみになってしまった。
「ジェクトのみやげだ」
「オヤジの!?」
刃の重さに振り回されながらも、必死でコケラと戦おうと試みる。目の前に立ちふさがるコケラ達をなぎ払って進む。
絶命した魔物は、いくつもの光となって消えた。これが幻光虫だ。
数回の戦いで、刃の使い方にも大分慣れてきた。
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