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三体の魔物を倒し、先に進もうとすると、再びコケラが飛んできた。今度は、先程よりも数が多い。
「邪魔なやつだけ切り捨てて走れ!」
アーロンの助言で先へ進むのに邪魔な相手だけを切り倒して、先へ進んだ。
その先に、イソギンチャクのような大きな魔物が、路面を割って生えるように存在していた。
「好き勝手あばれやがって!」
「下がっていろ」
今にも切りかかりそうなティーダを後ろへ下がらせ、アーロンは、ぐっと太刀の柄部分を握り締めた。気を送り込められた太刀が赤くなってゆく。そして空へと飛び上がり地面へ刀身を突き立てた。
「牙龍!」
突如、魔物の真下で大爆発が起こった。
爆発をまともに食らった魔物は、粉々になって飛び散り、幻光虫へと化した。
塞ぐものが無くなった道を、アーロンは駆け抜ける。
ティーダも後を追った。
「なぁアーロン!逃げた方がいいって!」
「迎えが来ている」
「はあ?」
アーロンはまたも答えることなく、先へと走り急ぐ。
言っている意味が全く理解できない。
「ったく、つきあってらんねぇっての!」
そう悪態を付くも、ここに一人で立っていても、状況は変わらない。アーロンを一人にさせるわけにもいかず、しかたないと思いながらも先へ進む。
するとまたコケラが飛んできて、目の前の道を塞がれてしまった。
今度は先ほどとは比べ物にならないほどおびただしい数だ。引き返そうか、と振り返って見た元来た道も、同じようにコケラで埋め尽くされていた。
しゃあしゃあと音を立てて、コケラが昆虫の形へ変化する。
「あぁ!一体何匹いるんだよコレ!?」
何体倒しても、一行に減っている気配がない。
叩いても叩いても、奥からまた新しいコケラが昆虫へと変化している。
とにかく数が多かった。
何か突破策を―そう思いティーダは辺りを見回すと、フリーウェイに車体を引っ掛けているタンクローリーを発見した。先ほどの謎の襲撃で吹き飛ばされてきたのだろう。後部のタンク部分をぶら下げるような形になっている。
これを爆破すれば―!!
そう思ったティーダは、車体とタンク部分との連結部分を破壊し、タンク部分をフリーウェイの下へと落下させた。下まで万有引力の法則に従って落下したタンクはフリーウェイの足部分と共に爆発し、ティーダ達の立つ場所から先を崩していった。多くのコケラと一緒に。
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