爆音

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地下へ続く階段… 人だかり… 音漏れ… 連れと飲み歩いた帰りにクラブ前で足を止めた。 「ここ何なん?」 ソフトモヒカンで澄んだ目をした亮一郎(大学1回生、18歳)はポカーンとした顔で、淳也に聞いた。 「あぁ、クラブや。なんやお前知らんのか?行ってみるか?」 淳也(18歳)は亮一郎の幼なじみで身長が高く坊主頭に綺麗な顔をしている。 亮一郎は淳也の話が終わらないウチに、まるで目に見えない何かに吸い込まれる様に階段を降りはじめていた。 コツ…コツ…コツ…コツ… 目の前に現れた鉄の扉 「どーも♪当日ワンドリンクでお一人さん三千円で~す」 扉の前で女性と話していたイカツイ男に声をかけられたが、亮一郎はまったく聞こえてない様で、ただじっと扉だけを見つめ続けている。 淳也がすぐ後から追ってきた。 亮一郎は扉に手をかけた瞬間… 体の奥のまだ奥の方へ響く音を感じ震えだし弾けそうな何かを感じていた。 淳也がお金を払いフライヤーを2枚もらった。 「どうぞ…クラブ・スプラッシュへ」 男が言った。 それが合図で魔法が解けたかのように亮一郎は、重い鉄の扉を開けた… ギィィィ・・・
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