第二話・―閉ざされた記憶―

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「そんなの、酷いよ! 隆だって、見放される事がどんなに辛いか。理解っているくせに……!」  だが、その訴えも虚しく。隆は盛大にため息を吐くと、冷たい声音で楓を突き放す。 「……なら、お前は帰れ。後は俺がする」  急変した隆の態度についていけない楓は、ショックを受けた様子で息を呑むと、すぐに隆を睨んで言った。 「……隆の、馬鹿!」  言うなり楓はきびすを返して、その場から走り去ってしまった。
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