第二話・―閉ざされた記憶―

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「記憶が欲しい」  しかし返ってきた答えは予想外のものだった。  いきなり意味不明な事を言われて、さすがの隆も動揺せざるを得ない。 「意味が分からないな」  それでも真意を探り出そうと、更に追求すると、相手は持っている獲物に力を込めて続ける。 「その餓鬼の記憶だ。お前が引き出せ」 「どういう意味だ」  いきなりの命令口調に憤りを覚えた隆が、反抗的な態度を見せると。  相手は、今にも刺さんばかりの勢いで獲物を突きつけて、それ以上の問答は無用とばかりに言う。
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