410人が本棚に入れています
本棚に追加
それだけで、一気に形成は逆転した。
あまりの素早い動作と、周囲の喧騒のお陰で誰も気付いてはいない。
だが対峙する二人の間には、緊張が走る。
「この子供に、何の価値がある?」
有無を言わせぬ口調で問うが、相手は小さく笑ったかと思うと、隆の両手を勢い良く振り払いながら言った。
「自分で確かめるんだな。……もっとも、それが知れる頃には、貴様の命も風前の灯だろうが」
言い切らない内に素早い動作できびすを返すと、隆が止める間も無く走り去ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!