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家に戻った隆は、玄関に上がるなりため息を吐く。
成り行き上仕方無く、子供を連れ帰ってしまったが。
もしこの子に両親が存在するのであれば、これは立派な誘拐である。
どうも最近、面倒に巻き込まれる事が多いと思うが。
それでもこうして律儀に拒否せずにいる自分に、自嘲気味に小さく笑う。
楓と共に暮らす前の自分なら、放置していたであろう。
正直、この子供を置いて行こうという思考がよぎった時。
しかし一瞬、楓の悲しむ顔が脳裏に浮かんだのも事実だった。
確実に、自分は楓に影響されている。
隆はそこまで考えたところで、リビングの方へと足を向けると、中へと入って行った。
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