第二話・―閉ざされた記憶―

4/16
前へ
/160ページ
次へ
「……楓、これはどういう事?」  すると楓は嬉しそうに隆を見上げ、満面の笑みで言う。 「どういう、って。遊園地よ」  言われて隆は小さくため息を吐く。  朝から叩き起こされて、事情も聞かされずに連れてこられた場所で。隆にとって、初めてと言っても過言では無い施設の名前を告げられてもピンとこない。  当たり前のようにそんな事を言われても、どう動いて良いかさえ検討もつかない。  しばらく逡巡した後、隆は仕方無さそうに質問を重ねる。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

410人が本棚に入れています
本棚に追加