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数秒待ってもおっさんは動かない。俺はすぐさま家に飛び込み鍵をロックした。ノブを押さえ肩の傷を見る。唾を呑み、呟いた。
「なんだ‥‥」
なんなんだよアレは!?
――!
ハッとし、どたばたとテレビの置いてある居間に向かう。リモコンを取り、電源を入れた。無表情な女子アナが画面に現れて、機械的に淡々と語る。
『――とこのように、原因は不明ですが、全国各地で人を食べるゾンビの姿が確認されています』
ま、マジかよ‥‥。俺は今朝寝坊しかけたため食べてなかった朝食をかっ食らいながら熱心に聞いていた。
『ゾンビ共は大変凶暴で血肉に飢えており、集団で獲物に襲いかかり哀れ人間を貪り尽くします』
ふーん。てか随分と物騒な単語を連呼する姉ちゃんだな。
『皆さん、ほんっと美味しそうに貪ってらっしゃいますよ』
いやそんな事どうでもいいよ。
それより弱点教えろ、弱点。
『彼らの弱点はこれ定番―――ずばり、頭、です』
なるほど、やはりな。
『心臓もまあまあいけるみたいです』
そんなおまけみたいに言わないで‥‥。
『皆さん、日頃の鬱憤を晴らすいい機会です。糞ゾンビ共の頭をぶっ飛ばしてさしあげましょう』
――恐ぇよ!
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