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俺を含めた、お茶の間の皆さんは女子アナの言葉に震え上がった。
恐ぇよ。ゾンビなんかよりこの姉ちゃんが恐ぇよ。
『ゾンビの体は腐食しており、常人のそれより非常に脆いようです。撲殺が出来ますね』
だから恐ぇっての! しかもなんで後半部分言う時だけ微笑んだんだよ!
怯える俺をよそに、ディレクターから新たな書類を受け取る姉ちゃん。
『たった今、新しい情報が入りました――どうやらゾンビに一度でも噛まれた者は、遅かれ早かれゾンビになってしまうそうです。‥‥あらぁ』
驚いたような声を上げ、女子アナは画面に向かってニッコリ言った。
鉄バットをずらりと取り出しながら。
『らしいですよ、ご愁傷様ですプロデューサー』
瞬間、彼女は画面に飛びかかった。
『ゾンビになる前に、私の手で殺ってあげます――死にさら』
‥‥‥テレビ画面は、衝撃と共にブラックアウトした。
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