色彩 その後の彼

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色彩 その後の彼

      君がいなくなって 結構たった気がする。   時間も日付もわからない。 ただただ、君がいなくなったことを   君がいないことを やっぱり怖くて認められない。     電気も付けず、部屋の隅で考えた。     どうすれば君に会える? この灰色の世界に独りで居続けることは オレには、もぅ耐えられないかも。 ちょっと、つらい?   つらいかすらわかんないよ。   考え込んでたらいつのまにか朝になってたみたいで。 外には、青空が広がっていた。     オレ思ったよ。 そっか、オレも去けばいいんだって。     階段を駈け上って、屋上の扉を勢い良く開ける   君が好きな一面の青空が視界に広がる。   【青】が見えた。   そっと柵を乗り越えて 下を見つめる。   ゆっくりと、重力に身を任せて青空を見ながら落ちていく。   青空に君はいるかな? 地面に着いて衝撃が走る。 落ちてしばらくすると血が流れ出した。 君のリストバンドと同じ 【赤】が見えた。   徐々に暗くなっていく視界。 君の瞳の色と一緒だね。 無意識に口元がゆるむ。   回りに人が集まってきたけどかまわない。 暗い視界は徐々に明るくなっていく。 白い意識の中で、君の手が見えた。   その手をとって君の元へ やっと永遠の〝一緒〟だよ。   さぁ、いろんな色を見よう。 君とオレで、君の好きな色々な色彩を。        
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