走レ

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 僕が風邪でダウンしている時、マーコさんは走ってくれた。  だから今、マーコさんの為に僕は走っている。  一時間前に電話があった、マーコさんから。 「私、もうだめかも……」  苦しい声だった……。  なんだよそれ、僕は確かそう言ったはず。  するとマーコさんは一言、ごめんね……。  僕は背中に冷たいものを感じ、地面から足が離れる感覚を感じた。  それでも地面に足を付き、とにかく走ってマーコさんの元へ。  ゼェゼェと息を切らし、ある公園へたどり着いた僕は、赤いベンチに座るマーコさんを見つけた。  マーコさんはパンパンってお腹を叩き、僕に一言。 「お腹いっぱい…」  それを聞いてどうすればいいのだろう?僕はその場に座り込んでしまった。  だいぶ落ち着いた頃、僕は公園で遊ぶ子供達を横目で見ながら言う。 「もう大食い大会は挑戦しないって言ったよね?」 「だからごめんって……」  マーコさんはちょっとふて腐れる、僕は負けずとふて腐れてやった。  しかし、マーコさんはそれを気にも止めずに。 「胃薬、買って来て欲しいな」  そう言うのだ、ならなぜ電話の時に……僕はそう思ったけど、なぜか頷いていた。  そして僕はまた走る、マーコさんの為に。
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