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修羅道
K組のYと連絡を取った。
K組は藤原の自殺は残念だとしながらも、残金の話しをしてきた。
俺は突っぱねた。
藤原が死んだ今、もはや俺が入る話しじゃない。
Yは、K組は長澤に話しに行きますよと言ってきた。
俺は口火を切った。
長澤に話したいなら勝手にすればいい。もとより俺は長澤とは関係ない。盃を貰ったわけでもなければ、誰の子分でもない。
藤原とは縁あって助けたが、死んだ今、これ以上何か言われる筋合いはない。
これに対してK組の交渉担当のYは沢村に電話を入れた。
沢村はのらりくらりと話しをしたが、明日1時に長澤に会いに行くと言うK組の話しを呑んだ。
実はこの四日前、上部組織のS龍会は内部事情により、すでに飛んでいた。長澤も沢村以外の長澤組の面々も同時に雲隠れしていたのだ。
沢村はそれを知りながら、時間までK組と約束した。
俺は、何も段取りできない藤原の親戚に代わり、葬儀の一切に関して段取りしていた。
翌日、K組から俺に電話が来た。
約束の時間に長澤に会いに行ったが長澤は居なかった。沢村も来なかったし連絡も取れない。
そこで上部のS龍会に行ったが、もぬけの殻だった。
K組が話す相手は、商人さん。あんたしかいなくなった。
というものだった。
俺は、これからある通夜と明日の告別式でそろどころじゃない。と伝えた。
K組のYは言った。
K組がここまで馬鹿にされたのは初めてです。
この話しはボスに通しました。
K組本来のスタイルで行きますから。
遂に、K組と衝突する時がきたのだ。
「それはどういう意味ですか?そのセリフ沢村にそっくり伝えて下さい。沢村は通夜に来ますよ。私もお待ちしています」
相手は更に言った。
「今から待機かけます」
もはや一歩たりとも引けない。
「わかりました。私も待機かけます。Kが相手なら本望です」
電話の途中で相手の副組長が出た。
「おい、商人!お前アタマおかしいのか?ひとりでウチとケンカする気か?
何の為の組織なんだ!?お前、周りはみんな逃げたんだぞ。誰に義理立てしてんだ!?あと30万くらいの話しだろ!それでもヤル気か?本気で言ってるのか?」
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