下準備-2-

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「あはは。ゴメン。コレ持って帰ろうとしたら遅くなっちゃった。」 真は 笑いながら持って来た物を指差す。 「よくこんな物持って帰って来たな。」 数が ゴクリ と唾を飲んだ。 「まあね。いい物がなかったからしょうがなくコレを持って帰って来たんだよ」 そこには巨大な冷蔵庫があった。 その扉には 溢れんばかりのガラクタが入っている。 「でも、持って来るの、さすがに疲れたな、、、数くん、手伝ってよ。」 真は数にすがるような目で言う。 「しょ、、、しょうがねぇな。持ってってやるよ。」 そう言って冷蔵庫に手をかけ、引っ張る。 ズル、、、 冷蔵庫が少し動き地面を擦る。 ズル また 少し動き止まる。 「何やってんの?遅いよ廉くん。」 真が少し不機嫌そうに言った。 「え?だってコレ重いし、この速さが限界。」 「遅い!遅い!遅すぎるよう!」 真が叫ぶ。 「俺が変わってやるよ。」 横から見ていた廉が今度は冷蔵庫に手をかける。 ズル、、、、、、、ズル、、、、、、、ズル、、、、、ズル、、、、、 「ねぇ廉くん。」 冷蔵庫を引く廉の隣から真が話かける。 「速さ、数くんとそんなに変わらないんだけど、、、それが限界?」 真は廉の顏を覗き込む。 少し黙っていた廉はしばらくして 軽く頷いた。
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