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とても、とは言い難いが、なかなか大きな街だった。
交通機関はバス、電車、地下鉄…
一通り揃う。
ビルの向こうに、小山が見えるが田舎ではない。
この街は「鷲見街(すみまち)」
都市伝説が多いので、よくメディアにでる。
なかなか有名なオカルトスポットである。
だが、ここに移り住みたいという物好きはあまりいない。
なぜなら、ここでは実際に人が何人も消え、死人さえでているのだから。
だが、この街から出ていく者もあまりいない。
なぜなのか?
各メディアも、この街を知っている者も疑問に思う。
そして、いつからかその事も都市伝説として語られ始めた。
「また出たんだって」
「またって…あの『バス』が?」
「そう。同じ塾の子が見たって!」
朝から廊下の隅っこで女子がヒソヒソ二・三人集まり、話している。
まだ、中学生になりたての幼い顔を残した少女達である。
「何の話?」
その話に割って入ったのは、珍しく街の外からやって来た転入生。
名前は壱黒いつみ(イチクロイツミ)。
幼い顔に、短い髪、赤のチェックのベストとスカートが良く似合っている。
中学1年になったばかりだ
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