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その日、さえは参考書を買った帰りにせのうにバッタリ会った。
「あ」「あ」
二人の互いに気付いた声が重なる。
「本屋さんに行ってたんですか?」
せのうのソプラノの声が、微笑んだ口元から出てきた。
さえは、参考書買いにちょっとね、と言いながらせのうの横に並ぶ。
「今日も暑いわね…」
さえは顎から垂れる汗をハンドタオルで拭いながら、ギラギラに光る太陽を細目で見て訊ねた。
「暑いのでしたら…アイス買ったんですけど食べます?」
腕にぶら下げていた白い袋から、抹茶アイスとバニラのカップアイスを取り出す。
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