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「あら、ありがとう。ありがたく貰うわ」
「抹茶とバニラありますけど…ドチラがいいですか?」
せのうの色白な両手に一個ずつアイスが、行儀良く乗っかっている。
そうねぇ…と言いながらさえはしばらく迷って、抹茶の方を手に取った。
「ありがとう」
優しいキレイな笑顔でお礼を言うと、せのうは満足気に溶けかけのバニラアイスを食べながら
夏の日差しに熱されたアスファルトの上を二人並んで歩いていく。
幾人もの人の群れとすれ違いながら、二人は溶けていくアイスを食べ干した。
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