消える『13番目のバス』

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「い……いつみさん居たの!?」 少女の一人が、明らかにいつみが来たことに動揺し一歩離れた。 「うん。さっき来たばっかだけど」 「ああ、そう…。じゃ、そう言う事で!!」 少女達は小走りで、いつみから急いで離れた。 どう言う事なのかは知らないが、いつみは明らかに避けられている。 なぜなら…… バシャア!! いつみの上に、水が落ちてきた。 それにビックリして目を見開いた。 「わっわっ…わぁあ~!!」 階段の踊り場からクスクス笑いながら去る少女達。 なぜなら壱黒いつみは「よそ者」を理由にイジメのターゲットにされているからである。 ところが、いつみは水をかけられた事に対し、怒るでもなく、泣くでもなく、ただ手に持っていた携帯が無事で良かった、と安心したのだ。 この天然もイジメをヒートアップさせている理由なのだが本人は無意識だ。 「うっわ!どしたのお前ソレ!」 いつみに話しかけたのは、唯一友達であるサッカー男児の逢戸広野(あいべこうや)であった。 背が低く、チンマイいつみより数センチ高いだけである。 幼いが整った顔であり、まぁ寝癖も付いているがこの学校ではかわいいと人気者である。
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