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「い……いつみさん居たの!?」
少女の一人が、明らかにいつみが来たことに動揺し一歩離れた。
「うん。さっき来たばっかだけど」
「ああ、そう…。じゃ、そう言う事で!!」
少女達は小走りで、いつみから急いで離れた。
どう言う事なのかは知らないが、いつみは明らかに避けられている。
なぜなら……
バシャア!!
いつみの上に、水が落ちてきた。
それにビックリして目を見開いた。
「わっわっ…わぁあ~!!」
階段の踊り場からクスクス笑いながら去る少女達。
なぜなら壱黒いつみは「よそ者」を理由にイジメのターゲットにされているからである。
ところが、いつみは水をかけられた事に対し、怒るでもなく、泣くでもなく、ただ手に持っていた携帯が無事で良かった、と安心したのだ。
この天然もイジメをヒートアップさせている理由なのだが本人は無意識だ。
「うっわ!どしたのお前ソレ!」
いつみに話しかけたのは、唯一友達であるサッカー男児の逢戸広野(あいべこうや)であった。
背が低く、チンマイいつみより数センチ高いだけである。
幼いが整った顔であり、まぁ寝癖も付いているがこの学校ではかわいいと人気者である。
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