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それは3学期に入った頃だった。
やっと学校に通うようになった頃、
出席日数が足りず、留年が決まった。
自分が逃げていたのだから仕方ない。
そこで私は気付いた。
今の私は、
中学や高校の頃に思い描いていた、一番なりたくない自分だった。
自立したくて家を出た。
なのに、親の脛をかじっている。
逃げ続けていた仇が返ってきた。
父には飽きられられ、母には泣かれた。
そして言われた。
「あんたが一番、しっかりしてると思っていたのに」
その言葉は思った以上に私の心に重くのし掛かった。
私は18年間、自分でも良い子でいたつもりだ。
それまで親を泣かせるようなことはしたことなかったし、お金をかけるようなこともしていない。
悲しかった。
逃げたかった。
現実から。
でも、ここで逃げてはそれまでの自分と同じだと思った。
自分に甘えてはいけない。
それから私はまた、地獄のような日々が始まったんだ。
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