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朝日が目を射す
いつの間にか寝ていたのか…
少し頭が痛い…
あの犬が死んだことが、俺にとっての絶望だった
ゆっくりと犬の方へ目をやる
バスタオルがぐちゃぐちゃになっている…
「あれ、犬…は…」
バスタオルを広げるとカイロがボタボタと落ちてきた
犬がいない
どこへ…
消えたなんてことはないだろう
俺は辺りを見回した
「ワン!」
「え…」
ひょっこりソイツは出てきた
カツカツカツとフローリングを鳴らしてそいつはやってくる
俺の足に巻き付くと尻尾を豪快に振った
俺は身の毛がよだった
「…………お、お前生きてたのか!おい!なんだよぉ!」
「あうぅ?」
そのまま犬を抱き締めた
キツク、キツク
小さな命を抱き締めた
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