02:予言

1/8
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

02:予言

3月28日午前22:00 夜が深まって来たせいかさらに暗くなってきた ほとんど前が見えない状況だ ゴードンは煙草を吸っていたのでライターを持っていた そのライターで照らそうと言うのだ 〈シュボッ〉 前がはっきり見えた そのおかげでしばらく行った所に小屋がある事が分かった (良かった) ゴードンはホッとした その小屋の中には ロープ、毛皮、猟銃、弾丸(見る限り60弾くらい)、ラジオ、他に役立ちそうな物が沢山あった ここは山小屋のようだ (ここで寝よう) ゴードンはそう思った この選択が更なる恐怖を知らせることになるとは知らずに… ゴードンはラジオをつけた 《ジジジ…ジ…ア…ジリジリ…アウウウウ…ウウ…ウ…ウウウウウウウウウ》 ゴードンはゾクッとした まだラジオは鳴っている… 《アウウウウウウ…ウウ…ウウウウおん…な…を……渡……せ…》 《………ジジジジジ…》 (夢…か) ゴードンは汗だくになっていた 続けてラジオを回した 《ジリジリジリジリ…に…なりま…した》 (繋がった…) 《さて、次のニュースです 3月29日午前21時00分頃にフィーラ・イータさん、19歳の女子大生がナイフで滅多刺しにされ、死んでいるのが発見されました。警察は犯人を指名手配し、捜索を続けています。》 ゴードンは固まってしまった 持っていた時計で時刻を確認した 3月29日午後1時だ ラジオでは3月29日午前21時00分と言っていた (これは、も、もしかして…予言……?) ラジオは途切れまた 《アウウウウウウウウ……》 と唸った ゴードンはラジオを壁に叩きつけた 『ガッシャ―ン』 鈍い音をたてて粉々に壊れた 『ジジジ…ジ…』 それでもラジオは鳴り続けている 『ジ…ジジ…』 それはもがき苦しむ様に鳴り続けていた
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!