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02:予言
3月28日午前22:00
夜が深まって来たせいかさらに暗くなってきた
ほとんど前が見えない状況だ
ゴードンは煙草を吸っていたのでライターを持っていた
そのライターで照らそうと言うのだ
〈シュボッ〉
前がはっきり見えた そのおかげでしばらく行った所に小屋がある事が分かった
(良かった)
ゴードンはホッとした
その小屋の中には ロープ、毛皮、猟銃、弾丸(見る限り60弾くらい)、ラジオ、他に役立ちそうな物が沢山あった
ここは山小屋のようだ
(ここで寝よう)
ゴードンはそう思った
この選択が更なる恐怖を知らせることになるとは知らずに…
ゴードンはラジオをつけた
《ジジジ…ジ…ア…ジリジリ…アウウウウ…ウウ…ウ…ウウウウウウウウウ》
ゴードンはゾクッとした
まだラジオは鳴っている…
《アウウウウウウ…ウウ…ウウウウおん…な…を……渡……せ…》
《………ジジジジジ…》
(夢…か)
ゴードンは汗だくになっていた
続けてラジオを回した 《ジリジリジリジリ…に…なりま…した》
(繋がった…)
《さて、次のニュースです 3月29日午前21時00分頃にフィーラ・イータさん、19歳の女子大生がナイフで滅多刺しにされ、死んでいるのが発見されました。警察は犯人を指名手配し、捜索を続けています。》
ゴードンは固まってしまった 持っていた時計で時刻を確認した
3月29日午後1時だ
ラジオでは3月29日午前21時00分と言っていた
(これは、も、もしかして…予言……?)
ラジオは途切れまた
《アウウウウウウウウ……》
と唸った
ゴードンはラジオを壁に叩きつけた
『ガッシャ―ン』
鈍い音をたてて粉々に壊れた
『ジジジ…ジ…』
それでもラジオは鳴り続けている
『ジ…ジジ…』
それはもがき苦しむ様に鳴り続けていた
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