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Shioは全力で階段を駆け上がっていた、着ぐるみを着た状態で。
動きにくい事この上ない。
頭には黄色い星形の,顔だけ出る形の帽子を被り,両目はアイマスク型の黒いサングラスで覆い,鼻と口も同じ様に黒のベールマスクで覆っていた。
その下にShioが着ているのは蝶ネクタイを付けたペンギンの着ぐるみだ。
その非常に奇妙で目立つ恰好をして,ビルの中を全力疾走していた。
数階下から警官が追いかけてくる音が聞こえる。
Shioは足音のタイミングと数を測って警官は恐らく三人だと冷静に推測した。
そして三人なら追い付かれても適当にいなせるな,とも思った。
そんな事を考えてる内に屋上への扉の前についた。
予定時刻,午前0:00ぴったりだった。
Shioの計算に一分の狂いもない。
殺し屋は誤算が多くては成り立たない。
その点で言えば自分は殺し屋として黒麗よりも優秀だな,と思った。
屋上へ出る前に階下の方向へ向かってマシンガンを数十発乱射した。
こうする事によって警官達は警戒し迂濶に上へは上がってこない。
案の定足音はぴたりと止んだ。
それを確認してShioは扉を開けて屋上へ出た。
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