0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「ぼーっとしてたんじゃなくてその恰好の不自然さに呆気にとられてたんだよ」
黒麗が忙しく羽を動かしながら言った。
「だが行きも同じ恰好だったし,第一この暗さじゃ黒麗は何も見えないだろ。それにああいう恰好をしてると目撃者はその変な恰好ばかりに意識がいって身長やその他の特徴までには意識がいかない」
Shioはそう言いながらも蝙蝠は目が殆ど見えない,その代わりに高周波の超音波の反射を使って物がどこにあるか認識する…と,自分の中で確認するとやはり黒麗はぼーっとしてたんだな、と確信する。
「だとしても場違いだよ,KY!」
黒麗はShioの手を力強く掴み反論する。
飛行速度も心なしか速くなった。
Shioは人殺しに場違いもKYもあるか…と思ったが
「分かったよ。次からはまた中嶋の特殊メイクで仕事する。」
黒麗の反論にこう答えて口論の流れを終結へと導いた。
Shioにとって今回のこの恰好は遊び心のつもりだったがどうも蝙蝠にはそれが理解出来ない様だ。
最初のコメントを投稿しよう!