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黒麗は15階建てのビルの上を旋回しながら退屈していた。
0:00ぴったりにShioが屋上に来る筈だが中々来ない。
黒麗は時計を持っていなかったが(持っていても読めないのだが)何となく0:00は過ぎた気がした。
遥か下の階からけたたましい銃撃戦の音,悲鳴が聞こえる。
火薬の臭いが鼻をついた。
しばらくすると銃撃戦の音,悲鳴が幕を引いた様に一切聞こえなくなった。
黒麗は飛行を止めて,ビルの屋上のアンテナに逆さにぶら下がるとShioが勝ったか捕まった,と思った。
黒麗とShioが組んで殺し屋を初めて一年…Shioが現場に直接行って殺しを行なうのは今回が初なので少し心配だ。
いつもは黒麗が一匹で殺しを行なっていた。
蝙蝠に血を吸われた人間が死亡…誰もそれを殺人だと思わないだろう。
今回の仕事は暴力団の抹殺で標的は〇×組の組長,組員も出来るだけ多く殺して欲しいという依頼人の希望でShioがそれを承諾し,事務所に一人で乗り込んだ。
確かにその依頼を果たすのに蝙蝠一匹じゃ無理があると黒麗自身感じていた。
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