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真っ直ぐは帰らず空きビルの屋上,中嶋の家を経由した。
Shioの着替えの為に空きビルの屋上に寄り,その後中嶋の家にマシンガンを返しに行ったのだ。
中嶋の家は"家"より"城"と表現した方がよっぽど相応しかった。
黒麗はこの"城"を見ていると昔仕事で忍び込んだ"皇居"という建築物を思い出す。
ただ実際はからくり屋敷だ。
映画のセットの様な柵と塀を通過する。
中庭をしばらく進んでいるとオブジェが見える。
高さ5㍍はありそうな巨大なオブジェだ。
そのオブジェは赤いバネを模していて見方によっては竜巻にも見える。
そのオブジェの真上までくると今まで屍の様に動かず黙っていたShioが
「高度を10㍍まで下げてくれ」
と偉そうに口を開いた。
「お願いします黒麗様だろ」
尊大な態度を取る相棒にうんざりしつつ急降下する。
黒麗はShioを今すぐ地面に落としてやりたい気分だった。
車の中,今まで助手席で寝てた奴が起きた途端に「まだ目的地に着かないのか?」と文句付けた時の運転手の心情はこんな感じなんだろうなと黒麗は思った。
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