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高度を10㍍にまで落とした。
恐らく誤差は10㎝もないだろう。
黒麗はShioと殺し屋のコンビを組んでから色々な修行を積んできた。
距離を測る事もその一つで,Shioに嫌という程叩き込まれたので黒麗にとっては最も思い出したくない修行だった。
しかしそれだけ自信もある。
超音波を発し,地面の反射で戻ってくるまでの時間を計る。
そこから高度を計算して微調整する。
一見とても難しい作業の様に思えるが馴れると感覚で距離感が解る様になった。
だから口で言う程難しくない。
計算してたのは最初の三ヶ月程度であった。
Shio曰く"人間界で言う絶対音感に似ている"らしい。
「微調整終わり!」
黒麗は完全なリラックス状態でぶら下がっているShioに向かってそう言った。
「お疲れ,じゃぁ離して良いぞ」
Shioは下りる為に体勢を整える。
「あ…」
「何だ?」
黒麗は今回の仕事でShioに聞きたかった事を思い出した。
「今回は出来るだけ多く組員も殺してくれって依頼だったよね?」
「そうだがそれがどうした?」
Shioは身体から力を抜き今までの体勢に戻る。
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