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「我は神だ!…つまり、そう言いたいんだな?」
「うむ、相違ない。」
この晶鳥の御霊の神…と名乗った少女が開口一番語ったのが『わらわは晶鳥神社で神なんかやっておる者じゃ』…だった。
あぁ、イタタタ、電波さんって、よくわからん怖さがあるよね?…いや、よくわからんから怖いのか。
「まぁ、何だ。俺が言いたいのは、こんな夜中、人気の無い公園、君みたいな子供が一人…アブナイ人来て下さいって言ってるようなもんだよ、と。ぶっちゃけガキは帰ってクソしてお寝むの時間だぞ、と。」
少し表現はキツいが、事実危ないのでお灸の意味も含めて…
しかし電波ちゃん(仮)は説教が不服な様で、一度膨れて、すぐさまニヤリと悪巧みを考えた子供みたいな嫌な笑い方をした。…いや、まんまだが。
「…ではおぬしを傍から見たら完璧に不審者じゃのう…」
む、いたい所をつくな。
「どのみちわらわは誰にも見えんし、歌も聞こえん。おぬしは…よくわからんが、迷惑をかけている訳ではなかろう?だったら練習の邪魔じゃ。早よういね。いつまでもしつこく信じられんと申すならば、ここで「誰か助けて」と大声を張り上げて確認としても良いのじゃぞ?」
何か偉そうな態度が気に食わないが、確かに叫ばれたら確実に職務質問物、下手を踏めば逮捕も…
そこまで考えて、電波と話すだけにしてはリスクが勝ちすぎると結論を出した。
「まぁ、叫ばれちゃ堪らんし、帰るわ。精々気を付けて。」
ちょっとキツい言い方になったがこれもお灸の意味も含めて…
特別言い返してもこなかったので、そのまま帰路についた。
何故か、背を向けた後少しだけ聞こえた歌が、頭から離れなかった。
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