Relictパート

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「ぐ……まさかこれほどとは――っ!」 胸に、激痛が炸裂する。 無論比喩だ。 激痛は切なさと置き換えてほしい。 ちょっと比喩でも使ってみたくなるくらい、切なさ炸裂だったのだ。 むぅ……友人より急用で行けなくなったと賜ったから一人で来てみたものの……祭りの会場で一人というのが、こうも切ないとは存じなかった。 く、くそぅ……こうなったらナンパでも……そう、例えばそこの、綿飴を美味しそうに頬張っている小学生少女とか、どうよ?……いやむしろ、それは俺の頭の中が、どうよ? 「む……おぬしは以前の……わらわを憶えておるかのう?」 ……ナンパをしようって考えは良い。それは構わないのだが、 「これ、わらわを無視するではない」 でもだからって、まず真っ先に小学生って……俺、末期かい? 「お~い、おぬし?無視するでない!……というか、おぬし。もしかして、わらわが見えておらぬのか?」 ロリコンか……なんて不名誉な称号なんだ。 精々性的犯罪者にランクアップ(ダウン?)しないように気を付けねば…… 「そ、そうよな……もとよりわらわは見えぬ存在……べ、別に今更無視されたところで淋しくなど……」 「で、一体どうしたそこの小学生?」 「聞こえているなら返事をせんかぁ!」 蹴られた。脛を。痛い。 「っつ~、何しやがる小学生!」 「えぇい、わらわを小学生と呼ぶなぁ!わ、わらわは偉大なる神であるぞ!?偉いんだぞ!?」 「胃大なる紙?」 「意味わからんわぁ!」 ぜーぜーしてる小学生もとい紙もとい神(?)。 むぅ……イントネーションの違いで漢字の違いを読み取るとは……こやつ、本当に神かもしれん。 「……何か今、とても不本意なカタチで認められたような気が……?」 「で、一体俺に何の用だ?精神科にツテはないぞ?」 「うむ、それはわらわではなくおぬしに必要なので、早急に探すと良いぞ?」 ありがたくない神託である。
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