もうひとつのプロローグ

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        「長くても、あと5年しか生きられないでしょう」 中学3年の1学期が始まった頃、体に妙な違和感を覚え僕は病院へ向かい、そこの医者にそう告げられた 医者を目指していた僕は、病名を告げられた時に、もう治る見込みがないことを知った それと同時に5年という制限時間内に医者になれないことも知る 「ごめんな。本当にごめんな。父さん達、お前のためにできることならなんでもするから…」 親というより、人間には限界がある。僕の望む医者の夢やもっと長く生きたいということは叶わない 絶望の中で、テレビを付けると、たまたま笑いは癌の予防になるということを知った お笑いはよくわからないけど、僕はお笑いは結構好きだ それに、お笑いならたくさんの人を幸せにできて、癌の予防になるのであれば医者になりたい夢も少しだけ叶う 「父さん、中学卒業次第、上京させてください」 僕は父にそうお願いした      
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