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今でも覚えて居るが、そのお通夜の夜中だったと思うが、静寂した住宅街の中を近所の犬だろう…
あちこちで遠吠えが聞こえ寝ていた私も目覚めると、線香番している父や父の他の兄弟も外の様子をうかがいながら落ち着き無い様子…
そんな時…
『…き…』
『…でき…』
『ひでき…』
囁くような声が聞こえた…
私は声の方を見ると、ソコには真っ白い布が掛けられた棺…
私は棺に近寄り
『こんばんわぁ』
棺の小窓を開けると、叔父が微笑んでた…
縫い跡だらけで引き攣った顔をぎこちない感じで、それで居て温かく…
『…ひでき…お腹すいてないか…?ソコのバナナ食べてイイんだよ😃』
私は叔父に言われるまま祭壇に置かれたバナナを食べて居ると、
『…ゴメンなぁ…ゴメンなぁ………インコあげられなくなっちゃった…ゴメンなぁ………』
私はわからず
「いつくれるぅ?」
『………………』
答えが返って来ない…
「おじちゃん…おきてぇ…?」
後ろを見ると涙を流した母がこっちを見てた…
後日、2つ生まれたセキセイインコの卵は、残念ながら2つともかえらなかったと連絡が来たそうだ…
そして私が中学生の頃だろうか…
コノ会話を思い出し、母に打ち明けた所…
コノ会話は母にも聞こえて居たらしい。
そして母には
『竹雄ゴメンなぁ…』
父に対する言葉も聞こえていたらしい…
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