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数日後、ちびっ子3組とセレナ先生は寿司屋のゲンさんに連れられて、港までやってきました。そこではたくさんの魚達が水揚げされていました。
みんな口々に「マグロだぁ⤴」、「サバだぁ⤴⤴」と大声で叫びました。
その中に、カジキマグロも水揚げされていました。
寿司屋のゲンさんはちびっ子3組のみんなに「カジキ食べてみるか?」と聞いてきました。
ちびっ子3組のみんなもケン太君もカジキマグロなんて食べたくありませんでしたが、渋々食べることにしました。
そしてカジキマグロの刺身を実際に食べてみると・・・ホッペが落ちるほど美味しかったのです。みんな不思議でたまりませんでした。なんでカジキマグロがこんなに美味しいのかと思いました。
おどるのんのんもガツガツとカジキマグロを食べました。
そうすると寿司屋のゲンさんが答えました。「カジキマグロっていうのは他の魚の陰に隠れてしまっているが、漁師さんの中ではとても美味しいといわれている、隠れた美味なんだ」と語りました。
ちびっ子3組のみんながポカーンと見ていると、ゲンさんはケン太君に向かって言いました。「ケン太君のお母さんは確かにあまり、お金を持ってなかったかもしれない。それでも、カジキマグロという魚がとても美味しいことを知ってて、君に食べてもらいたいと思っていたのだよ」
するとケン太君は泣き崩れてしまいました・・・貧しいながらも美味しい物を食べさせてくれた、お母さんに対する感謝と先日悪く言ってしまったことへの罪悪感で心が一杯になってしまったのです。
そんなケン太君を見てセレナ先生は寿司屋のゲンさんに深々と頭を下げてお礼を言いました。
すると寿司屋のゲンさんは言いました。「親が子供に美味しい物を食べさせたいと思うのは当たり前だよ」と素っ気なく答えました。セレナ先生も笑顔でゲンさんに頷くのでした。
おどるのんのんもカジキマグロをガツガツ食べながらそんな二人を見つめるのでした。
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