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午後10時…柳瀬川 真夜(やなせがわ まよ)は二階にある自室のベットの上でファッション雑誌を見ていた。
「ふぁ~…そろそろ寝るか…」
少し伸びをし雑誌を閉じたと同時に、一階にある電話が鳴った。
──プルル、プルルルルルル
一階に家族が居るはずなのに、電話の呼び出し音が止まない。
「誰だろ??こんな時間に…母さん!!電話が鳴ってるよ」
真夜は自室のドアを開け、一階に叫んだが…
───プルルルルル
一階は静まり返り電話の呼び出し音だけが響いた。
「あれ??変だな…誰も居ないのか??たくっ、仕方ないな…」
仕方なしに真夜は一階に降りて電話に出た。
──プルルルルル、ガチャ…
「はい、柳瀬川ですがどちら様?」
《今晩和、夢の運び屋です。貴方様が家族に選ばれました。》
礼儀正しそうな男の声が真夜の耳に響いた。
「は…い?……運び屋?」
【夢の運び屋】…って、母さんが何かに応募ハガキでも送ったか??
「あー…俺、息子なんですけど…母さん居ない見たいで…」
《いいえ…柳瀬川真夜、貴方様が家族に選ばれました。台本をお配りします》
何だかよく意味が分からない電話だ…イタ電にしては礼儀正しいケド…やっぱ、イタ電だよな??コレ?
「あ…の…俺、何かに応募した覚え無いンですけど、イタ電なら切りますよ??」
《ただ台本通りに動いて頂ければ良いのです。[お家ごっこ]終了後に礼金として500万が支払われますので……ではまた》
「Σえ?ちょっ──」
《ツーツーツー…》
「…切れた」
話を聞かない上に、言うだけ言って相手は電話を切ってしまった。
「ご…ごひゃくまん??台本って…演劇の勧誘かよ。俺、記憶力悪いから無理だ…」
そう言いつつ、先ほどの電話は悪質なイタ電という事にして、真夜は部屋に戻り眠りに着いた。
― 第一章終了 ―
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