第一章

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午後10時…柳瀬川 真夜(やなせがわ まよ)は二階にある自室のベットの上でファッション雑誌を見ていた。 「ふぁ~…そろそろ寝るか…」 少し伸びをし雑誌を閉じたと同時に、一階にある電話が鳴った。 ──プルル、プルルルルルル 一階に家族が居るはずなのに、電話の呼び出し音が止まない。 「誰だろ??こんな時間に…母さん!!電話が鳴ってるよ」 真夜は自室のドアを開け、一階に叫んだが… ───プルルルルル 一階は静まり返り電話の呼び出し音だけが響いた。 「あれ??変だな…誰も居ないのか??たくっ、仕方ないな…」 仕方なしに真夜は一階に降りて電話に出た。 ──プルルルルル、ガチャ… 「はい、柳瀬川ですがどちら様?」 《今晩和、夢の運び屋です。貴方様が家族に選ばれました。》 礼儀正しそうな男の声が真夜の耳に響いた。 「は…い?……運び屋?」 【夢の運び屋】…って、母さんが何かに応募ハガキでも送ったか?? 「あー…俺、息子なんですけど…母さん居ない見たいで…」 《いいえ…柳瀬川真夜、貴方様が家族に選ばれました。台本をお配りします》 何だかよく意味が分からない電話だ…イタ電にしては礼儀正しいケド…やっぱ、イタ電だよな??コレ? 「あ…の…俺、何かに応募した覚え無いンですけど、イタ電なら切りますよ??」 《ただ台本通りに動いて頂ければ良いのです。[お家ごっこ]終了後に礼金として500万が支払われますので……ではまた》 「Σえ?ちょっ──」 《ツーツーツー…》 「…切れた」 話を聞かない上に、言うだけ言って相手は電話を切ってしまった。 「ご…ごひゃくまん??台本って…演劇の勧誘かよ。俺、記憶力悪いから無理だ…」 そう言いつつ、先ほどの電話は悪質なイタ電という事にして、真夜は部屋に戻り眠りに着いた。 ― 第一章終了 ―
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