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─日光がどこまでも続く大地を射すなか、蜃気楼に“鉄の虫”が映る。
多脚歩行型モービル…
通称“ボーグス”と呼ばれる機体である。
末端をローラーに可変させた四脚のマニピュレーターで、後部に連結したコンテナの荷台を引いて、荒野の土煙を起てて走行している。
黄色の装甲に脚部等の数箇所に黒のストライプ模様が施され、昆虫の眼球の様な計四つのメインカメラのある機体に四脚が備え付けられたその姿は、まるで蜘蛛をイメージさせる事から名付けられた機体の名は“械蟲”。
コンテナを積んだローラーで走る荷台を合わせて見るると、
機体は“走る馬鹿デカい芋虫”にも見えてどこか滑稽である。
─周囲はただ何処までも続く荒れ地だった。砂漠化してはいないもののグランドキャニオンの様な岩壁は無く、橙色の大地には僅かな植物しか根を生やしてはいない。
械蟲の走っている脇は錆び付いた道路標識が数㎞おきに並んでおり、
時折…今の時代となっては廃墟の一部となってしまった、
巨大な廃ビルの残骸まで、地盤に飲み込まれかけてる状態で埋まっているのが見える…。
戦闘機の残骸まである景色は…ここがかつて戦地だった様子がうかがえ、理不尽なまでに快晴な空に昇っている太陽が、
この世の果てとも言えるこの大陸を理不尽なまでに照りつけ、
ヒトの過失が引き起こした全ての“なれの果て”があちらこちらに見え隠れしていた。
機体の三人乗りのコックピットに乗っているのは二人の男。
ドレッドヘアーの茶髪の舎弟が機動系統の操縦し…
二列の後部座席には、金髪と黒のストライプ模様をしたモヒカンヘアーという
異様のヘアスタイルの男が、がーがーといびきを起てて眠りについていた。
──と、さっきまでの突如起てていたいびきのリズムが停まり、モヒカン男が起床する。
「若ァ~、もうすぐ町ですぜ~」
「んー…了解。ごくろーさん」
コックピットのモニターから外の景色を見て、突然モヒカン男が呟く。
「…………ゼロセン?」
「…は?」
ドレッドヘアーの座る座席に乗り出し、前のめりになってモヒカン男がモニターに張り付くように見いる。
「戻れェザスラッ!!今すぐッ!!今の絶ッ対ゼロセンだろッ!!!!」
「はィィイ~っ!!!!?ちょッあッぶなッ!!前危ねッすよ若ッ!!」
コックピットのキーを勝手に弄り、画像を拡大する。
映ったのは錆びたプロペラ機であり、何百年も前の大戦で
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