小さな手のひら

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いとこのえっちゃんは 私より5つも年下で いわゆる、みえる子供だった。 天井の隅を じっと見つめている事がよくあった。 何か見えるのかと尋ねると えっちゃんは目を動かさずに、呟く様に 鬼がいるの。と言った。 ある時は一つ目だったり、 烏天狗だと言った。 当時12歳の私は烏天狗なんて知らない。  
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