小さな手のひら

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お正月など親戚中が集まると 祖父はいつもえっちゃんばかりに かまうのだ。 私は優しい祖父が大好きだった。 いとこ達の中で孤立したえっちゃんと 一緒にいると祖父がよくこっちに来て 昔話を私達二人に聞かせてくれた。 ドタバタと他の子供達が 畳の上を走り回って埃が舞う。 祖父はえっちゃんしか見ていなかった。 それでも私はえっちゃんと一緒に 座って祖父の話を聞いた。  
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