1章~入学式~

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「空手・・・」 と先公は呟いた。 「何だ、先生俺をしってんのか?」 と聞くと 「いや、そうじゃないんだ。ただ・・・一年前教え子で君と同じ空手と名前の子がいたんだよ。君とは違って力も無さそうな静かな子だったよ。」 と先公は悲しそうに言ってきた。 「思い出した!コイツ俺の担任だった奴だ!」 と思い出し 「そうか、それでソイツはどうしたんだ?」 と俺は聞いた。 「行方不明になったんだよ。学校からの帰り道。それから彼はまだ見付かってないんだ。」 と先公は涙をこらえながら言った。 「すいません。先生。」 と俺が言うと 「いや、君のせいじゃないよ。それより書類とクラス名簿を貰って。早く行くと言いもうじき入学式が始まるよ。」 と言うと先公は渡してくれた。 「ありがとうございます。それじゃあ。」 と言って俺は歩き出した。 『西中の田中をあんな軽々と』 『恐いねぇ~』 『しっ!目を合わせたら殺されちゃうわよ!』 と周りの奴らが言っていた。 これからが思い遣られる・・・と俺は思いながら入学式会場である体育館へと向かった。 体育館の中は新入生と親御さんで賑わっている。 「俺のクラスはえっと・・・4組か、縁起ワリィ~」 と言いながら俺は4組の出席番号13番の席に座った。
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