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季節は秋。繁留は今年卒業…なはずである。
「はず」ではない。卒業はしないであろう…というのは、繁留は裏金で入学し居る場所も無く学校へいる感じであった。
だから友達なんてまともな人間は誰ひとりいない。
父親は別の高校の理事長であり、一流企業の社長なのだ。だから全てお金で解決することしか教わらなかった繁留は将来の事なんて何も考えていなかったのである。
次の日、繁留はなぜかいつもより早く学校に着いた。
「俺でも遅刻しない日なんてあるんだな。って言ってもヘリだけどな。」
と、独り言を言いながら教室に入った。
「シゲ!!今日早いな!」
クラス中が驚く。
「早く来ても寝るんだけどな。」
そんな事を言いながらいつものように机に顔を伏せた。
(無がせまっている…)
(無は邪悪な存在なり)
「ん…?」
(貴方には力が自ずと備わっている)
「誰よ…?」
(この世界には五つの力がある)
「力…?」
(……)
「…ゲ!シゲ!」
「ん…?」
「すげーかわいいぜっっ!」
(誰だ…?)
まだ寝ぼけている繁留には状況がいまいち掴めなかった。
「転校生だとよ。この時期に来るとはね…」
だが、この高校では珍しい事ではなかった。
「多分…親の関係だろう。」
そう独り言を言いながらまた顔を伏せた。
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