命。

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息を吸う音が聞こえてきて、それから美羽の母親は力が抜けたのか、膝を床につけて美羽の手を離した。 『お母さん、もういいの。お母さんと先生の嘘をついてる時の辛さはあたしが死ぬのより辛いよ』 『美羽…………ごめんね、私――本当に助けてあげたかったのに、無理だって言われてっ……』 泣きながら話す美羽の母親が、高田裕平のことを話していた美羽と重なった。 ただ母さんを見つめる美羽。 ただ泣き続ける母親。 俺は、ただそれを見ていることしか出来なかった。ただ、本当に美羽は死んでしまうんだと、気管が詰まる感じがした。今更だけど。
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