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家でごろごろしていたら、扉がノックされた。
『なにー』
母さんが扉を開けて部屋に入ってきた。右手には食器を持っている。
『日向、苺があるわ。』
『あ、うまそっ』
透明のガラスで作られた見慣れた食器に入っていたのは赤々とした苺だった。母さんから受け取って一口。
『美味いね』
母さんは一つ笑顔を作ってから、部屋を後にした。テレビを見ながら食べてると『あっ』手から食器が滑り落ちた。
――割れる。
そう思ったのも束の間、がしゃんっ、と音を立てて食器は割れた。真っ二つだった。苺が散らばる。一つだけ、落ちた苺のうちの一つだけが、食器の下敷きになって潰れていた。
『………………』
嫌な気分になる。美羽が浮かんだ。
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