2495人が本棚に入れています
本棚に追加
何となく、気分的に行きづらくて見舞いを二日休んだ。今日はどうしようか、とぼーっと考えていたら携帯が鳴って飛び起きた。携帯を見ると[非通知]と表示されてる。
美羽か?俺は通話ボタンを押した。
『もしもし……?』
『もしもし、長谷川さんですか?』
弱々しい声で喋る美羽だった。俺は焦って『どうしたっ?』と聞くと、
『いえ。特に何もないんですけど……ただ、少し、話がしたかったんです』
『話、』
胸騒ぎがした。本当はもっと違う何か考えてることがある気がする。携帯を耳に付けたまま、ベッドを降りてクローゼットを開いた。ズボンとブレザーを出して、さらにジャケットを見つけてベッドに置いた。
『長谷川さん?』
騒がしいのに気付いたのか、『忙しいですか?』と聞いてきた。ジャケットの袖に腕を通しながら
『いやっ、大丈夫だよ。着替えてるだけ』
『着替え?どこかに行ってきたんですか?』
着替え終えた俺は、部屋の扉を開けた。
『いや、今から行くんだ。――美羽のとこ』
最初のコメントを投稿しよう!