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『っ――――、今からですか?』
『ああ、駄目?』
『い、いいえ!じゃあ……待ってます』
階段を降りて、母さんに出かけてくると告げて、俺は嘘のように軽い足取りで病院に向かった。
一分でも一秒でも早く、美羽に会う時間を増やさないと。何で今までそう思わなかったんだと後悔しながら、自転車を全速力でこいだ。
寒い。信号で引っ掛かって停まって深呼吸をすると肺に冷たい空気が入って、息を吐いたら白い息になった。そういえば、テレビの天気予報で今年一番の冷え込みだと言っていた気がする。悴む手を開いたり閉じたりして、血液を無理矢理回らせた。
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